一本桜
昨日の日曜日は、「本州で一番遅く咲く」と言われる雫石町小岩井の桜が
ちょうど見頃を迎え朝早くから多くの観光客で賑わっていました。
GWには間に合いませんでしたが、一本桜も見事に満開。
ただ朝方は雲が多くて陽射しが長続きせず、何より岩手山の頂を隠す雲が
停滞して、絵に描いたような眺め、とはいきませんでした。
「あの雲さえなければな~」とみんな残念そう。
それにしても次から次へと人がやって来て、ものすごい混雑振り。駐車場
も常に満車状態。さすがは全国区の桜ですね。
昼近くまで待ってみたものの、結局岩手山は3分の1ほどが雲に
覆われたままでしたが、それでも美しい桜と周囲の草木の芽吹きを
十分に楽しめました。
ちなみに一番左上の写真は落葉松の新芽。「小岩井農場 パート3」の中で
宮沢賢治はこれをネクタイピンに欲しいくらいだと言っています。
確かに可愛らしいですね。
そして、この日一番の光景は夕暮れ時の一本桜にありました。午後から
ヤマメ釣りに行って、その帰り道、何とはなしに再び小岩井へ車を走らせ
ると、ナントナント、岩手山がその頂まで綺麗に見えるではありませんか。
雲の隙間から斜めに差し込んだ夕方の陽射しが、桜の花びらをさっとピンク
に染めると、ここぞとばかりに皆一斉にシャッターを切り始めました。
最高のタイミング。この瞬間に居合わせて感動しない人はたぶんいない。
最後に隣のおばちゃんが詰めていた息を吐き出しながら「来てよかったね~」
と満面の笑みでシメのひと言。
何だかドラマチックな休日。ヤマメは釣れなかったけれどね。