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白き翼

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ピィーッ、ピィーッという甲高い鳴き声につられ、会社の窓から
外を眺めると、今年生まれた二羽のタカが飛行訓練に勤しんで
います。野生のタカが会社を囲む林の中に初めて巣を架けたのが
一昨年のことで、その後もこの場所を気に入ってくれたらしく、
3年連続で同じ巣を使い、そこで新たな命が誕生しています。

 
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去年は台風以上の強風に見舞われた際、巣から卵がひとつ落ち、
無事卵からかえって巣立つことができたのは一羽だけでしたが、
今年は二羽のタカが巣立ちを迎えようとしています。
その二羽を見守るようにさらに上空を舞っているのが親鳥です。
 
伊藤いわく、「今年の親鳥は例年以上に勇敢で、ヒナを狙う
三羽ガラスを物凄い勢いで撃退して、その後またカラスが十数羽で
やって来たんだけど、それもあっという間に退けてしまった。
最近では周囲に近づくカラスの姿も見ないよ」

 
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「ここで生まれてる系統は、白の映える個体が多いよね」と
伊藤が言うように、確かによく見ると、翼や腹に茶色い羽根が
割と少なく、全体に真っ白い綺麗な羽根が目立ちます。
もちろん陽射しの角度や加減によって見え方は変わるけれど、
猛禽類特有の険しさに気品が備わり、その野生の美しさに
思わず見惚れてしまいます。

 
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さて、二羽の若いタカも間もなく完全な巣立ちを迎えます。
際限のない大空を悠々と飛び回る自由を手にするかわりに、
これからは自分の力だけを頼りに狩りをし、また身を守り、
厳しい自然界を生き抜いていかなければなりません。
どうか力強く種を繋いでいって欲しいと思います。
またどこかの山や渓の空で、その雄姿と再会できる日を
楽しみにしています。
ひょっとしたら、これまで巣立っていったタカ達とも
どこかの釣行先で再会しているのかもしれませんね。