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野生の強さ

0112

四季折々の豊かな自然に包まれている雫石。
この時期、会社を囲む林の中ではエゾゼミやヒグラシを始めとする
たくさんのセミ達が、短い地上生活を謳歌するように大合唱を
繰り広げ、朝早くからとても賑やかです。

そして。
この林の中で今年、さらなる野生の命が生まれました。

027

立派な杉の木に、タカが巣を架けたのです。
ちょっと調べてみると、警戒心が強く繊細な種であるため、子育て
に適した立地や環境にこだわることが多い一方、こうして人里近く
に生息することもあるらしい。しかし、自然破壊、及びエサとなる
小動物や両生類、爬虫類、昆虫等の減少が大きく影響して、その
個体数は減っているそうです。

春に親鳥のペアが林にやって来て、巣作りの場所探しをしている時
から見ていた伊藤は、このへんには気の強いいたずらカラスが3羽
いてしょっちゅう後ろから追われていたので、このペアが巣を作る
のは無理だろうなあと思いつつ、静かに見守っていました。

「そしたら巣作りを始めたんだ。嬉しかったな。卵を産んだ頃に
そのカラスの1羽をタカが撃墜したみたいで、次第に残りの2羽も
寄りつかなくなった。あんなに追われていたタカの姿を見ている
だけに、自分達の卵を守るため、種を残すためのその野生の強さ
に感動したね。それはヤマメ達にも言えることで、例えば
このあいだ、2年前の豪雨被害が甚大だった川に行ってみたら、
もちろん魚の数は少ないんだけど、その中でまだ10cmほどの
小さな本ヤマメがもう産卵行動を取ろうとしてる。川全体に
生息数が激減してしまった状況で、一年魚が何とか種を繋いで
いこうとしてる。厳しい自然の中で生きる強さをまざまざと
見せられた思いがする」

3

タカの巣の中では無事2羽のヒナがかえり、その後巣立った幼鳥は
しばらくのあいだ毎日林の上空で飛行練習をしていました。
強風にあおられてバランスを崩したり、お互いにちょっかいを
出し合ったり、まだあどけなさも残りますが、すでに猛禽類特有の
険しさを備えており、やっぱり格好いいなあ…と見惚れてしまいます。

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これから幾多の修羅場をくぐり抜けながら風格を増していくの
でしょうが、ひとつとして欠損のないこの綺麗な姿はこの時期
ならではの美しさ。

05

時には親鳥もまじっての訓練。
仕事場の窓越しに空を見上げると、野生のタカが舞っている。
この光景に幸福を感じずにはいられません。

6

タカは同じ巣を毎年補修しながら利用し続ける傾向があり、ひとつ
の巣が20年以上毎年利用された例も確認されているそう。
「彼らがずっと種を繋いでいける土地であり続けて欲しいな」
そう心に願うばかりです。

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