夏渓
angler:Daisuke Ito
美しい夏ヤマメを目当てに、伊藤大祐と共にとある渓谷へ。
朝方は空を覆っていた雲もすぐに霧散し、夏の強い陽射しが
照りつける谷底でふと視線を河原の砂地に向けると、たぶん
昨日今日付けられたんだろう足跡が…。
まあ、週末だし、人の入らない場所なんて今やないわけで、
ポジティブに、むしろ釣り人はシビアな状況と手強い魚に
嬉々として釣り上っていく。
岸から枝葉を伸ばす広葉樹が川の所々にシェードを作っている。
思わずゴクリと唾を飲み込むポイントが点在するも、そんな
いかにもな淵やシェードに入っているヤマメは一様にスレていて、
あからさまにヤル気がない。
rod & lure:Protomodel
速いペースの中で丁寧に且つ様々なヒラ打ちを講じる。繊細な
釣りを通す大祐の手に収まった、綺麗な夏のヤマメ。ルアーは
ここ数年、小渓流用に性能を煮詰めてきた新型バルサミノー。
釣って放すだけじゃもったいない。たまには一息、いや二息も
ついてマジマジとヤマメを鑑賞。大物じゃなくとも、その繊細な
美しさに目を奪われます。
これもいいヤマメ。魚の数は多くなく、川のポテンシャル的に
サイズもこの辺りが良いところ。コンディションはみな抜群、
何よりスレッカラシとの駆け引きが楽しい。
撮影を始めるたびに、猛烈な勢いで物凄い数のアブが出現するも、
鮮やかなピカピカの夏ヤマメに僕らはもちろんニッコリ。
この日、カメラのファインダーを覗いてもっとも興奮した一尾。
個性的で鮮明なパーマークと完璧な色艶、そしてこの健康的な
太さ。流れる清冽な水とのコントラストも最高に美しく、ひと目で
心をぐわっと鷲掴みにされた気分です。
周囲の山の素晴らしさをそのまま表しているようなヤマメの姿に、
やっぱり豊かな森の環境があってこそのヤマメだよなぁ…と
改めて実感。
メッシュベスト必須のジリジリとした暑さ、そしてアブの猛攻。
それも含めて盛夏の渓流釣りですね。
今しか楽しめない釣りを、思う存分堪能しましょう。
明日から夏休みという方も多いと思います。突発的な大雨による
急な増水、はたまた熱中症などにはくれぐれもお気をつけの上、
皆さん、どうぞ楽しい休日をお過ごしください。
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