辛夷
辛夷と書いてコブシと読む。
会社の敷地内に立つコブシが枝いっぱいに花芽を付けている。
純白の可憐な花びらとその甘い香りが里山に春の訪れを伝えるコブシは、
種まき桜とか田打ち桜、田植え桜などとも呼ばれ、ひと昔前はその開花時期
を目安に農作業のタイミングを計ったり、花の数や咲く向きで作物の豊凶を
占ったりした。農村の暮らしに密着してきた植物なのだ。その名残か、雫石では
田んぼのそばにコブシの喬木をよく見かける。
一般的には桜に主役を奪われがちだが、ひと足早く春を告げるコブシは、
歌にもあるように北国の春を代表する花であり、桜とは違う素朴な佇まいが
雫石の土地柄や風景に調和しているような気がする。
長い冬のトンネルの先にようやく明かりが見え始めてきた今日この頃。
花が咲いたらまたアップします。
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